6月7日、Appleは年次開発者会議WWDCの基調講演で、iOS 15とその他のOSのアップデートを発表しました。注目すべきアップデートの一つはSiriの新機能で、常時インターネット接続を必要とせずに、ローカルでリクエストを処理できるようになりました。これは、Appleチップに搭載されている「Neural Engine」によって実現されています。
この変化は非常に顕著で、今後Siriへのリクエストはクラウドからデバイス上へと移行します。これにより、ユーザーはインターネットに接続せずにSiriを操作できるようになるだけでなく、リクエストの速度も大幅に向上します。リクエストがインターネットを経由する必要がなくなるため、速度の向上は目に見える形で現れます。

ローカルリクエスト処理によるプライバシーの強化
Siriの新たなアップデートのもう一つの興味深い点は、プライバシーの強化です。Siriへのリクエストは「ニューラルエンジン」を用いてローカルで処理されるため、データが漏洩したり、他の目的に利用されたりするリスクが大幅に低減されます。現在、SiriへのリクエストはAppleのサーバー、つまりクラウド上で処理されています。

Appleはプライバシーを重視しており、常にそうしているものの、完全にクリーンな記録を持っているわけではありません。2019年には、iPhoneメーカーであるAppleがSiriへのリクエストの録音を聞くために業者を雇っていたことが発覚しました。また、業者が人々の私生活に関する偶発的な録音を聞くことができたとも報じられています。
Siriへのリクエストはすべてローカルで処理されるため、録音内容を他人が聞くといった事態は完全に排除されます。ただし、すべてのリクエストがローカルで処理されるのか、それとも一部のリクエストのみが処理されるのかは依然として不明です。
2019年、Appleは、請負業者がSiriのリクエストを盗聴しているという報道を受けて、「Siriリクエストの一部は、Siriと音声入力機能の改善のために分析されています。ユーザーのリクエストはユーザーのApple IDに関連付けられていません。Siriの応答は安全な施設で分析されており、すべてのレビュー担当者はAppleの厳格な守秘義務を遵守する義務があります」と述べました。